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【マンガ】作・夏緑/画・ちくまきよし:著『しっぽの声』読了レビュー

今回は2巻が出た頃から読んでいる『しっぽの声』という作品の7巻のレビューを書いていきたいと思います。


 

原作:夏緑

作画:ちくやまきよし

協力:杉本彩(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva理事長)

 

今回も動物、主に愛玩動物の犬、猫の人間社会においての扱いがテーマです。(そもそも全巻そうです)

ストーリーは8篇収録で、内、話が上下で構成されているのが6編です。

今回は2編分だけ紹介したいと思います。

 

第48話『幽霊が泣く森(上)』、第49話『幽霊が泣く森(下)』

希音ちゃんが「幽霊を見に行きたい」と言い、山トンネルへ希音ちゃんと士狼とバイト2人が行きます。

そのトンネルの手前に犬の影が現れ、バイトの一人、蒲田が襲われガードレールの向こうに落ちてしまう。

警察を呼び探索をする。

警察によるとその山は猟場で迷子になったり、狩りの役に立たなくなり足を撃たれた猟犬が野犬化し、山をうろついているとの事。

ここでチェックポイント✅

→動物を捨てるのも殺したり、傷付けること同様、”虐待”になる。

 また、動物虐待の検挙件数で一番多いのは殺傷ではなく、動物を捨てる事。検挙数の8割を占めているそうです。

 更に、動物愛護法では虐待全体が厳罰化され、罰金だけだったのが懲役が付いたとのこと。

殺傷→『5年以下の懲役または500万円以下の罰金』

遺棄及び飼育放棄→『1年以下の懲役または100万円以下の罰金』

懲役が加えられることによって、引き取り屋を語る悪徳域物業者のような金だけとって捨てる相手の対策もできる。

 愛玩動物だけに限らず、狩りや目的を優先して捨てるという人がいるってことなんですね。

住んでいる場所にもよるとは思うけどなかなか普通に暮らしていても知らないような事ですよね。それから、やはり状況の限界が来ることによって”法律上の罰”が厳しくなるという事も耳が痛い話ですね…。だけど、無責任なことをやればその分自分に返ってくることだと充分な理解をしておかなければいけないという事ですね。

 

夜で二次被害の可能性もあり翌朝、森の中へ入れるような準備をし、士狼が森の中へ探しに行くと、昨晩現れた犬に遭遇し、腕を襲われます。もちろん、腕に保護グローブを装着していて、けがはありません。

そこで、士狼は首を狙ってこなかったことに気付き、その犬はエサを目的に襲ったという事に気付きます。

 

一報警察側にクソゴミ脳みそな自称弁護士がやってきます。

野犬と化した森の犬を駆除しようとしている警察に対し、クソ弁護士森の犬が逃げた飼い犬だったらどうするのだという話を持ち出して来ます。

しかし、近隣住民からは確認はした上で捕獲隊を要請しているのですが…

どうやら犬、猫、野犬、野猫の線引きが昭和38年でも定義が曖昧だとかうんぬんかんぬん。そのまま駆除してしまえば動物虐待で訴えると言い出す。

まあ、その後に士狼がこの自称弁護士がその犬の飼い主だろうと見破って論破する。

勿論、飼い主だと肯定してしまえば遺棄したという事になり法律に触れる。

無事、士狼は犬を保護し、また、襲われたバイトの蒲田も見つかり一件落着になります。

保護した犬、”アイ”は動物保護センターで育て、無事回復し、後は里親が見つかればいいねって事で終わります。

 

愛玩動物”愛玩”として扱わずにぞんざいな商売道具や自分の身分の満足の為に扱う人もいるんですね。

今回の作中のクソ弁護士のように、自分の知識をひけらかしてマウントを取って自分の利益を生もうと考えているという人もいるわけです。

そういう目的の人に限らず、簡単に動物を一度買い始めたら責任を背負わなければいけないという事ですね。

人だったらそんな事は勿論行動にまでは至らないとしても、動物になると、”モノ”として扱われちゃうという事です。

そもそも、その発想に至るという事がアウトですよね?

だから飼い始める時も、”かわいい”とかだけでは済まないという事が現実です。徹底した対策が飼う限りは求められるという事です。

犬だって望んでいない。猫だって望んでいない。

そういう”動物の生”について追及して描かれている『しっぽの声』は辛辣な現実だけではなく、もちろんほっこりと優しい動物の話も入っています。

今季のコロナの影響により自粛期間で動物を飼うようになったという人が増えたそうです。(参照:コロナ禍でペットブームと飼育放棄が同時に起きている「危うい現実」(石井 万寿美) | 現代ビジネス | 講談社(1/6))

その為、今回の機会にも、今後飼い始めるというような方にも読んでいただきたい作品です。

まったく知識のないまま飼い始めるという事は無いと思いますが、法律が関わってくるという事、もちろん命を大事にするという考え方を改めるために読んで欲しい話がたくさん含まれています。

動物の絵は優しいタッチで描かれていてそこからも温みが感じ取れると思います。

安易な判断をしてしまう前に、ですが身構えすぎず勉強がてら読んでみて下さい。


 

それから、むやみやたらにクソとかゴミという言葉を乱用してはいけませんね。失礼しました。

 

 自己紹介

普段このような読了のレビューをマンガだけに限らず、小説について書いたり、今後はエッセイ本について書くつもりでいます。(時々日常で自分が思った事も書いたりもしてます。)もし、今回の記事が良かったら👍ボタンとフォローよろしくお願いします。

 

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