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【ラノベ】『オーバーライト2――クリスマス・ウォーズの炎』ストーリー&感想

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オーバーライト2――クリスマス・ウォーズの炎

〈あらすじ〉

 ブーディシアやグラフィティ・クルーたちとの出会いによって音楽活動を再開したヨシ。そんな彼の元にかつてのバンド仲間、ボーカルのネリナが現れる! 
「ヨシの音楽には、魂がない」――ヨシの音楽に迷いを生じさせ、日本を離れる原因となった歌姫の突然の来訪。気まぐれな態度でヨシを惑わす少女の真意は?
 一方、クリスマス間近の街ではグラフィティを否定するミュージシャンの宣戦布告をきっかけにグラフィティ排斥の動きが激化!
〈Z〉を名乗る謎の人物によって街中のグラフィティが上書きされてしまう!
 傷つけられたブーディシアのグラフィティ、立ち上がったララ率いる〈女王熊の復讐〉。ブリストルの未来、そしてヨシをめぐる三角関係の行方は?

 

 〈ストーリー〉

主人公、ヨシは音楽活動を再開していたその矢先に、日本で元々一緒にバンド活動していた自分勝手でヨシを振り回す美声を持った女――ネリナと再会する。ある日、ヨシSNSガブリエルというミュージシャンがグラフィティを批判するコメントを投稿しているのを知る。後日、グラフィティにリバース・グラフィティされているものを見つけるが、そこにグラフィティされていたのは『Z』とだけで、”グラフィティ”ではなくそれはグラフィティを冒涜する主張だった。ヨシはグラフィティを”傷”と冒涜するその『Z』と名乗る正体をグラフィティライター、ブーディシアとグラフィティ集団《女王熊の復讐(クイーン・ベアーズ・リベンジ)》のリーダー、ララと調査を始める。

その間、グラフィティに興味を抱くヨシに対して音楽をやらせたいネリナはグラフィティに対して関心が無い。そして、ブーディシアと相性が悪く日本語対英語でありながら対立をし、ヨシを取り合う始末。

ヨシはギターを弾くために、ガブリエルが所属する『ジ・アーク』というバンドの新しいプロジェクトのオーディションへ参加する。そこで一つの壁を乗り越えネリナと共に音楽を披露し、バンドの参加への合格を得て、クリスマスにライブを行う事が決まる。

 

街はガブリエルの影響なのか反グラフィティ派が増えていた。

一巻でヨシと出会ったララはブログにて、ガブリエルの活動に対し意思表明を示した。音楽が残るべきか、グラフィティが残るべきであるか。しかし、事態はそれどころではなくなる。

その間、ヨシネリナが落書きの『Z』の正体だと突き止める。

クリスマス。ヨシネリナガブリエルと共に『ジ・アーク』のライブを行う。そこでヨシはグラフィティと音楽を繋げる手段に出る。そこでグラフィティを倦厭しているガブリエルブーディシアの思いもよらぬ繋がりが明らかになる。ガブリエルにはグラフィティを嫌う理由があった。その理由の元凶であると疑われる行いをしていたのがブーディシアであると正体を知り事態は急展開に追いやられる。

周りは火事になりヨシブーディシアは助けを求め、ネリナが助けに来る。

ガブリエルブーディシアのいざこざが残りつつ、事態はゆっくりと収束を迎える。

最後にはグラフィティと音楽、どちらが街に残るべきかという話の決着はつかずガブリエルもグラフィティに対して理解もし、胸の内を打ち明けて自分の間違いを諭すことになる。グラフィティを排斥しようとしていた反グラフィティ派の市民の動きも小さくなっていった。

ブーディシアネリナも序盤からツンツンとした性格全開だったが、話と共にヨシを安心させるデレ、とまでは言えないがゆるッとした空気になり、綺麗に物語はみれあさんの素敵な挿絵と共に終わる。

 

 補足と感想〉

作中では舞台となっているイギリス、ブリストル出身の実際に存在するMassive Attackというバンドの話が出てくる。その為、章のタイトルそれぞれ、Massive Attack の曲名になっていて合わせて Massive Attack の曲を聴いてみるのもオススメ。自分も Massive Atack の作る独特の世界観には釘付けな一人なので今作を読んで更に好きになりました。作中ではバンクシーの正体がマッシヴのメンバーの3Dという噂についての会話もあり、現実にもある事と繋がっていて一巻目同様にその面に関してもどこまで掘り下げるのだ…!?という不思議なハラハラ感も僕としては感じました。

グラフィティの歴史、舞台の街にゆかりの音楽との関係についても語られているからこそのリアリティ要素がよりシリアスさを感じさせて飽きさせないと思います。


 

一巻の感想は書いていないので書けたら書きます。


 

ではでは。